女優の樹木希林さんが、先日、9月15日にお亡くなりになりました。
最後まで、真正面から自分と向き合い、病気もまるごと受け入れ、前を向いて歩かれていた樹木希林さん。
わたしは、ガンと戦うようになってからの樹木希林さんを、よりテレビや映画で意識するようになりました。
年齢を増すごとに存在感を増していった希林さん。
樹木希林さんからは、個性とは、自然体とは、生きるとは…。
たくさんのメッセージをもらいました。
樹木希林さんのこころに残った言葉などをまとめました。
よかったら読んでみてください。
Contents
【樹木希林】芸名の由来がひとつの生き方
引用元:時事通信 URL:https://www.jiji.com/jc/d4?p=kkk001&d=d4_psn
樹木希林さんの芸名の由来をご存知の方もたくさんいらっしゃると思います。
元々は、『悠木千帆』という芸名で活動されていました。
1977年、黒柳徹子さんが司会を務めていた番組『わが家の友だち10チャンネル 徹子のナマナマ10時間半』に出演。
番組のオークション企画でとくに出品するものがなく、その時に芸名を出品したといいます。
しかも、なんと、2万2,000円で落札されて、芸名を改めることに。
落札先は飲食店経営者でした。
その後芸名を改め『樹木希林』として活動することに。
『きききりん』、不思議な名前ですよね。でも、響きがいいです!
樹木希林さんはご自身の芸名を、
「❝キ❞という音が好き。木が集まって、希(まれ)なる林になる。人間は一人では何もできず、力を寄せて大事をなすという意味」
があるとおっしゃっていました。
しかも、同じ音が連なっている様がお好きなようです。
❝キ❞ という音 が好きで、それが連なっているからとても記憶に残りやすい。
ユーモアたっぷりの音。
意味は、いろんな木、樹、が集まって、林になる。それは、希なるもの。
個性を尊重しながらも、調和を表わしているようなお名前。
価値観や考え方がぎゅっと凝縮されて、しっかり芸名に表わされていて、感動しました。
この謙虚な姿勢は大物ゆえですね。
若者へのメッセージ
今年の7月末、樹木希林さんは、朝日新聞社へ次の内容で直筆のメッセージを送っています。
昔からの本を読むと およそ 同じことを言っている
自殺した魂は 生きていた時の 苦しみどころじゃ ないそうだ
本当かどうかは わからないけど
信用している私は弱い人間だから
自分で命を絶つことだけは
やめようと 生きてきた
こんな姿になったって
おもしろいじゃないKIKI KILIN 75才
引用元:with news朝日新聞 URL:https://withnews.jp/
生き辛さを抱えている若者へのメッセージ
樹木希林さん自身、幼少期は無口で口を利かない子だったそうです。
役者になってからも、全然必要とされない役者だったという。
美人でもないから、配役も❝通行人A❞とかそんな仕事しかこない。
それでも、役者という仕事を50年以上も続けてきた。
希林さんは、『必要のない人間なんていない』と強くいいます。
小学校時代のエピソードでは、
私は何だかモサーっとしていて、運動会もいつもビリでした。
だから6年生の水泳大会ではクロールや平泳ぎじゃなく、「歩き競争」というのに出たの。そんな種目に出る上級生は私だけ。あとは小さな低学年の子たちでした。
そんなわけでタッタタッタと歩いていたら、あっという間にゴールして1等賞になっちゃった。
そしたら、賞品がね、他の種目と同じなのよ。周りの6年生が「なんだ、こいつ。ずるい」と不平を言ってるのが聞こえました。
たぶんこの時、他人と比較しても意味がない、ということを覚えたんだと思う。それは今も続いています。
出典:朝日新聞『語る 人生の贈り物』
必要のない人間なんてひとりもいないし、他人と比較しても意味がないと気づいた。
樹木希林さんの唯一無二の輝く個性は、このような体験や思いとつながっているようです。
わたしたちも、もっと勇気をもって、自分を認め受け入れて、個性を発揮する生き方をしてもよいのではないでしょうか?
でも、なかなか難しいのが現実。
社会は、一定の枠や常識におおわれていて、個性の発揮なんて、とてもじゃないけど無理って思ってしまいますよね?
もうちょっとだけ待ってみて。
樹木希林さんは言います。
人には皆、それぞれの ❝お役目❞ があるからと。
樹木希林さんの人生観・死生観
がんはありがたい
私の場合、体に広がる全身がん。
でもがんに感謝。経験しなければろくに『死』にも向き合わず、内田(裕也)さんのこともちゃんと理解しようと思わなかった。
出典:スポーツ報知
希林さんは、最初のガンから14年経って、人生観や死生観も変わったといっています。
わたしたちは、普段、特に健康だったり、若さがまだまだたくさんあれば、『死』というものに向き合うことはほとんど無いと思います。
『死』というものがものすごく身近になって、はじめて気づくことがあるのかも知れません。
人生は、必ず終わりが来ることを、もっと意識する必要がありそうです。
病気をしてから、いつでも逝ってもいいように、自分の周りを身軽にしておきたいという思いが強くなったのはあるわね。
出典:AERA dot URL:https://dot.asahi.com/
自分の気持ちも、周りの物事も、すべていつ逝ってもいいように準備していた希林さん。
未練や執着というものを極限まで削っていました。
強さと潔さを感じますね。
引用元:時事通信 URL:https://www.jiji.com/jc/d4?p=kkk001&d=d4_psn
面白がらなきゃやってられない
死はいつか来るものではなく、いつでも来るものなの。
面白いわよねぇ、世の中って。
「老後がどう」「死はどう」って、頭の中でこねくりまわす世界よりもはるかに大きくて。
予想外の連続よね。
楽しむのではなくて、面白がることよ。楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やってけないもの、この世の中。
出典:AERA dot URL:https://dot.asahi.com/
死はいつか来るものではなく、いつでも来るものだから、もっと、体験のド真ん中に入って、面白がっちゃうくらいの生き方がちょうどいい。
人生、意外に短いし、辛いことも面白がるくらいの気持ちが大切なのかも知れません。
日常と自然体をあらわす
晩年に出演した作品、『万引き家族』や『モリのいる場所』では、いかに❝人間❞ と❝日常❞ を描くかということを、全身を使って表現しています。
人間が老いていく、壊れていく姿というものを見せたかった。
人間をいかにして自分の身体を通して表現するか。それが役者の仕事。
どの役もみんな生きているでしょう?
なんでもない日常を切り取りながら、人間を映し出すというのは本当に難しいことなの。
出典:AERA dot URL:https://dot.asahi.com/
日常と自然を、どうやって演技で表現するのかを追及された樹木希林さん。
日常のリアリティーは、普段からいろいろ見て、体験していないとできないことです。
俳優の仕事の時だけじゃなく、自分の人生でも、老いも病気も死を迎えることも、すべてをあるがままに受け入れていた希林さんの姿勢やあり方に感服します。
自然にあるがままってなかなか受け入れられない時があります。
だから不満もでてくるし、虚飾をはったりしてしまう。
樹木希林さんのように、もっと視点を上げて、大きな流れの中で物事をあるがまま、自然にとらえられるようになりたいものですね。
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まとめ
唯一無二の個性を放つ、大物女優がまたひとりこの世を去って、本当に残念でなりません。
樹木希林さんが遺したたくさんの作品から、わたしたちは多くを学ぶことができます。
希林さんの言葉・名言や、人生観や死生観を知って、あらためて考えることがたくさんありそうですね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうござました。
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(樹木希林さんがナレーションをつとめている作品です。こちらも人生を見つめる映画です。)
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