【その場しのぎ】という言葉を、聞いた事はありますか?
あなたは、この言葉をよく使いますか?
❝とりあえずその場しのぎで❞ とか、
❝その場しのぎの対応❞ とか、
どうも一時的な匂いがぷんぷんする言葉ですよね!
今回は、この【その場しのぎ】という言葉について、言葉の表す意味や要素、類語や使い方などをあきらかにして、まとめましたのでよかったら参考にしてください。
Contents
【その場しのぎ】の意味
【その場しのぎ】という言葉には、次のような意味があります。
- その場の難局を切り抜ける
- なんとかその場だけを取り繕って済ます
- またそうした態度や口実のこと
以上のようになります。
なんとかその場をやり過ごそうとする態度や行為が目に浮かぶような意味です。
【その場しのぎ】の類義語
それでは次に、【その場しのぎ】の類義語2つについて、解説していきます。
【その場逃れ】
【その場逃れ】という言葉です。
【その場逃れ】も、【その場しのぎ】とほぼ同じような意味になります。
どちらも意味としては、
『なんとかその場を取り繕って済ますこと』 です。
では、【しのぎ】と【逃れ】の違いは何だと思いますか?
【逃れ】はこの言葉どおり、❝逃れる❞ ということ。
【しのぎ】は、❝耐えること❞ という意味があります。
ふたつの言葉に、ちょっとした微妙な意味の差異があるとすれば、
【その場逃れ】は ❝その場から逃れるように、取り繕って難局を乗り切る❞ というニュアンスになりますが、
【その場しのぎ】は 、❝その場を耐え忍んで、なんとか難局を乗り切る❞というような感じになります。
同じように難局を乗り切るわけですが、
乗り切り方がまったく違います。
ふたつの違いをまとめると次のとおり。
- 【その場逃れ】⇒ その場を逃げる
- 【その場しのぎ】⇒その場を耐え忍ぶ
【その場しのぎ】の❝しのぎ❞ には、❝耐えること❞ という意味があるので、より、❝耐えること❞ に強くフォーカスがあたっています。
【一時しのぎ】
次に【一時しのぎ】という言葉です。
こちらの言葉も、【その場しのぎ】とほぼ同じような意味になります。どちらも意味としては、『なんとかその場を取り繕って済ますこと』 です。
では、【一時】と【その場】の違いは何だと思いますか?
【一時】とは、❝しのげる一定時間の短さ❞ のことをいいます。
一方、【その場】は、❝今の状況だけに対処する応急性という質的なこと❞ をいいます。
【その場しのぎ】という言葉の方が、より、応急措置的要素が強いといえます。
【その場しのぎ】の4つの意義
【その場しのぎ】という言葉には、言葉を表わす4つの内容(意義)があります。
それについて、類語、使い方や例文をまとめました。よかったら参考にしてください。
①応急措置的な要素
ひとつめの【その場しのぎ】という言葉が表わす内容は、❝急な事態に対応するために応急措置をとる要素❞ です。
暫定的に、当座をしのぎ、さしあたってその場をすり抜けるような様子です。
【例文】
『私は、その場しのぎで料理をつくり、夕食は適当に済ませることにした』
《この意義に対する類語》
一時的、間に合わせ、一時しのぎ、暫定的、当座しのぎ、さしあたり
②責任を回避するような要素
ふたつめの【その場しのぎ】という言葉が表わす要素は、自らの責任を回避し、言い訳したり、逃げてしまうというような言動や行為のことです。
逃げ口上であったり、その場を取り繕って、言い訳や言い逃ればかりする、無責任な様子を表わしています。
【例文】
『彼は、その場しのぎの嘘をついて、本当のことを伝えなかった』
《この意義に対する類語》
逃げ口上、責任逃れ、言い訳、責任回避、責任放棄、自己保身、弁明
③根本的取り組みをしないという要素
みっつめの【その場しのぎ】という言葉が表わす要素は、その場をうまくやり過ごして、根本的に本格的に問題には取り組まないという様子や態度のこと。
先送りや棚上げ、先延ばし、などのように全く手をつけないわけではないけれど、【その場しのぎ】のこの要素でも、根本的な問題解決には至らないので、似たり寄ったりであり、実は根底は一緒ということになります。
【例文】
『その場しのぎの対応で、今回は事なきを得たが、次回も同じようにはできない』
《この意義に対する類語》
当座逃れ、その場逃れ、小手先、便宜的
④急に身につけたようなもの
よっつめの【その場しのぎ】という言葉が表わす要素は、物事にまだ慣れておらず、急に覚えたような状況や態度を表わすときのこと。
一夜漬けの勉強や、やっつけ仕事など、底が浅く形だけをととのえ、事態をすり抜けたというような様子です。
【例文】
『あまりの忙しさで勉強もおろそかになり、その場しのぎの説明になってしまった』
《この意義に対する類語》
にわか仕込み、付け焼刃、一夜漬け、間に合わせ
これら4つの【その場しのぎ】という言葉が表わす要素を理解したうえで、言葉を使うようにすると、文章もより自然でまとまったものになります。
類語も、どの要素をさすのかによって、選ぶ言葉が微妙に変わりますので、気を付けてください。
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まとめ
【その場しのぎ】という言葉が表す意味や内容について、少しでも理解が深まっていましたら幸いです。
言葉には、内包されるさまざまな要素があって、その繊細な意味合いをキャッチしながら、適切な場面で使うことが大切です。
似たような言葉、類語にも、ちょっとした微細な違いがありますので、日本語って奥深いですね!
【その場しのぎ】という言葉でひとつ言えることは、
その場の応急を臨機応変に対応するという意味では素晴らしいものですが、その素晴らしさは、根本的、本質的な解決を次に行ったとき、はじめて良い方向へ効力を発揮する態度であるということではないでしょうか。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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