引用元:SUNNY 公式HP 引用元URL:http://sunny-movie.jp/
8月31日に公開された映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
90年代の日本の音楽やカルチャーとともに青春の日々をふり返る映画。
篠原涼子さんや篠原さんの若い頃を演じる広瀬すずさん、板谷由夏さんやともさかりえさんなど、豪華な顔ぶれで、わたしと同世代の素敵な女優さんもたくさん出演しているので、とっても気になっている映画です。
その主題歌をご存知ですか?
映画のタイトルにもなっている、小沢健二さんの『強い気持ち・強い愛』です。
歌が流行っていた頃を思い出して懐かしいのはもちろんのこと、歌詞をあらためて読んでみたところ、なんだかとっても素敵じゃないですか?!!
小沢健二さんの歌詞について、わたしなりに考察してみました。
よかったら、いっしょに考えて、感じてみてくださいね^^
Contents
小沢健二さんとは?
引用元:Kenji Ozawa オフィシャルサイトひふみよ URL :http://hihumiyo.net/
小沢健二さんは、1968年生まれ(2018年 50歳)のシンガーソングライター、ミュージシャンです。
東京大学文学部在学中からアマチュアバンドを結成して音楽活動をされていました。
(東京大学卒業なんですね!? 才能あふれる感じですね)
1989年に「フリッパーズギター」として、小山田圭吾さんとプロデビュー。
1991年には解散してしまいます。
その後、小沢健二さんはソロで音楽活動を開始します。
たくさんのヒット曲を生み出し、❝渋谷系王子さま❞と称されるまでに。
CMやドラマで起用された曲も多く、あなたも知っている曲がたくさんあると思います!
わたしは、『愛し愛されて生きるのさ』(1994年)、『ぼくらが旅にでる理由』(1996年)が好きで、とても心に残っています。 いい曲ですよ^^
精力的に音楽活動をされ、数多くの楽曲を発表してきた小沢健二さんですが、
『ある光』(1997年)、『春にして君を想う』(1998年)を最後にして、ぱったりと表舞台から姿を消してしまいます。
その後、アメリカへ渡って活動をされていたようです。
長い年月を経て、小沢健二さんが再び日本の音楽シーンで復活を果たす2017年までの活動や、アメリカでの日々のことを知ることができる宇野維正さんの著書『小沢健二の帰還』という本があります。
興味のあるかたはぜひ手に取ってみてくださいね。
『小沢健二の帰還 / 宇野維正著』
『強い気持ち、強い愛』魔法的字幕で聴いてみよう♪
下記の『強い気持ち・強い愛』の魔法的字幕動画は、リリックビデオと言って、歌詞を主軸に構成されたミュージックビデオです。
2016年5月~6月にかけて行われた小沢健二さんの全国ツアー「魔法的Gターr ベasス Dラms キーeyズ」のタイトルにあった ❝魔法的❞ という言葉をつかっています。
❝魔法的❞、なんかいい響きですよね?!
❝言霊❞ なんて言葉もあるとおり、言葉にも魂が宿っていて、❝言葉の魔法❞ 侮れませんよね。
では、『強い気持ち・強い愛』 聴いてみましょう^^
作詞:小沢健二 作曲:筒美京平 編曲:小沢健二・筒美京平
『強い気持ち・強い愛』の歌詞から見える心の風景
『強い気持ち・強い愛』のリリックビデオを見て(聴いて)、どんなことを感じましたか?
リズムにのって流れる言葉、ポップなメロディーとともに動く言葉は、わかりそうでわからない、わかるようなわからないような…そんな感じをわたしは受けました。
もやもや感があります。
そもそもタイトルの、❝強い気持ち❞や、❝強い愛❞ って、どんな気持ちで、どんな愛でしょうか?
ここから、わかるようなわからないような、わかりそうでわからない…が始まっています。
寒い夜に遠くの街から、まっすぐに空を降ってきた
ほら、あっというまの蜃気楼
小沢健二さんの歌詞には、❝蜃気楼❞ という言葉をしばしば見かけます。
❝蜃気楼❞ って、光の異常屈折による現象のひとつ。ある物体の位置がずれたり、倒立したり、実在しないものが現れたり…。幻みたいな感覚です。
溢れる光 公園通り
新しい神様たちが パーッと華やぐ魔法をかける
ここでは、またもや ❝魔法❞ という言葉が。
日常から離れて、楽しく華やかで愉快な世界が飛び出してきた感じです!
屋根を走る仔猫のように
僕は奇蹟を待っていた
夜をブラつき歩いていた
日常から離れて、華やぐ街にやってきた!
ちょっと、現実逃避も含めて。
そして、心のどこかでは、奇蹟を求めて。
この期待する感覚って、若い人だけじゃなくて、年を重ねても、多かれ少なかれあるものです。でも、若い時って、この期待感がハンパないんですよね!
未来がたくさんあるだけに、期待も大きい。
あたり前ですよね? だって、残された時間がたくさんあるんですもの、そりゃ期待します。
不確定要素がたくさんある。
でも、その期待とは、まるで魔法のようにいっぺんに何かが、誰かが変えてくれるんじゃないか? という感覚なのではないでしょうか。
全てを開く鍵が見つかる
そんな日を探していたけど、なんて単純でバカな俺
でも、その期待を満たしてくれるものが、外側にあると信じて探し回っているけれど、
幻のような華やかな街にくりだしてみるけれど、一向に見つからない。
実は、そんなものはないってだんだん気づく。
強い気持ち、強い愛
心をギュッとつなぐ
幾つの悲しみも残らず、捧げあう
今のこの気持ちほんとだよね
歌の中で、なんどもなんども出てくるこのフレーズ。
そんな全てを開く鍵は簡単には見つからない。
焦りと不安と孤独を、❝強い気持ち❞ と❝強い愛❞ で埋め合わせていく。
❝心をギュッとつなぐ❞ ことで。
恐らく、恋人同士だと思いますが、彼らの不安と孤独をとても強く感じます。
どうしてかわからないけど、不安で不安で仕方ない。
一緒にいるのにとても寂しい。
この気持ちを ❝強い気持ち❞ と、❝強い愛❞ でわかってほしい、安心させてほしい。
そんな思いを強く感じます!
悲しみを分かち合うことにより、心の距離を縮めて、一体感を確認しあう。
❝今のこの気持ちほんとだよね❞ という言葉は、この気持ちだけは真実で、間違いないよね?!
という自分自身への確認と、相手への問いかけのようです。
空へ高く照らし出された 高層ビルのすぐ下
ほら、あっというまの夜明けだよね
美しい空 響きあう空
誰も見たことのない日々を
ギューッと胸に刻みたい
ああ、街は深く僕らを抱く!
魔法からさめて、朝日が輝き、ふたたび美しい世界が広がる。
これが現実で、これから始まる日々は、誰も知らない新しい日々。
ちょっと前向きな感じもうかがえます。
長い階段をのぼり、生きる日々が続く
大きく深い川
君と僕は渡る
ふたりは、朝もやが漂うような人生の長い階段をのぼりはじめます。
ちゃんと現実を受け止めて、一歩、前に踏み出す。
涙がこぼれては、ずっと頬を伝う
冷たく強い風 君と僕は笑う
今のこの気持ち、ほんとだよね
頬を伝う涙は、悲しみだけじゃなくって、なにか吹っ切れたような爽快感をともなうもの。
逆風のような冷たい風にあっても、僕らは笑って過ごせる。
なんか、ちょっと強くなった感じ。
❝今のこの気持ち、ほんとだよね❞ って最後にもう一度確認する。
若い時は、感性も豊かで繊細。
そんな若い日々は、未来がたくさんあって夢があるのと同時に、不安や孤独、焦りも感じやすいもの。 しかも、自分だけでは自分を支えきれなかったり。
若い日の繊細な心の動きと、仲間との日常をあらわした映画『SUNNY』とこの曲には、なにかとてもリンクしているところがあるように感じます。
そんなちょっぴり悲しいような孤独で不安な心の様子を、この曲では、ポップなメロディーで軽快に和らげてくれています。
小沢健二さんの歌詞に潜む感情や思いは、ちょっと切なくて胸がキュッとなるような、若き日の心の葛藤をあらわしていると思いました。
このような葛藤をくり返しながら、自分自身を確立し、自分で自分を支えて生きていけるようになるのかも知れませんね。
たくさんあった実態のない不安も少しづつ解消されてくのだと思います。その希望を『強い気持ち・強い愛』は伝えてくれているのではないでしょうか。
素敵な歌詞ですね。
小沢健二さんの言葉の魔法に感動です!
まとめ
映画『SUNNY』の主題歌、小沢健二さんの『強い気持ち・強い愛』の歌詞について考えてみました。
当時の小沢健二さんを知っている人も、知らない人も、音楽は時代を超えて感じることができるので、素敵ですよね!
歌詞をあらためてじっくり読んでみると、気づかなかった景色が見えてきます。
映画を観て、『強い気持ち・強い愛』を再び聴いたら、もっと違う景色も見えてくるかもしれませんね。
普段から、自分で感じとったことは、さっと流さずにちゃんと受け止めることが大切ですね。
小沢健二さんの言葉の魔法に感激です^^
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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